アルテュール・フォンテーヌ夫人
画家 オディロン・ルドン →Madame Arthur Fontaine (Marie Escudier, 1865–1946) / メトロポリタン美術館
黄色い衣装の女性が本に目を落とし、背後には紫や青の花が広がる。
何が描かれているか
黄色い衣装の女性が本に目を落とし、背後には紫や青の花が広がる。肖像画の題名にあるアルテュール・フォンテーヌ夫人は、マリー・エスキュディエという実在の人物だ。女性は鑑賞者と目を合わせず、読書の時間を続けている。顔の似姿を示すだけでなく、花や光の色をまとった一つの空間に人物を置くことで、その場の気配も描いた肖像画である。
作品の見どころ
衣装の黄と花の青紫を行き来すると、色の対比が画面を動かす。肩や袖には柔らかなパステルの線が残り、顔の周りでは形が比較的はっきりする。手に持つ本は小さくても、視線の向きを説明する重要なものだ。背景の花は細部まで植物学的に描き分けるより、色の集まりとして感じられる。人物の顔だけを切り出さず、周りの色まで含めて見たい。
制作背景
メトロポリタン美術館は1901年の紙に描かれたパステルと記録する。メトロポリタン美術館の解説も、この肖像をルドンの色彩豊かな後期の仕事として取り上げる。初期の幻想的な顔と比べると、ここでは実在の依頼主を描いている。しかし、色や花を使って人物の周囲を現実以上に広げる方法には共通点がある。
出典・画像について
画像:Odilon Redon《アルテュール・フォンテーヌ夫人》/The Metropolitan Museum of Art / CC0
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