1885年
45歳頃

沼の花、悲しげな人の頭

画家 オディロン・ルドン →
The Marsh Flower, a Sad Human Head / シカゴ美術館
暗い水辺に細い茎が立ち、その先には人の頭のような花がある。

何が描かれているか

暗い水辺に細い茎が立ち、その先には人の頭のような花がある。題名はそれを「悲しげな人の頭」と呼ぶが、表情を一つに決めることは難しい。背景には黒い空間が広がり、茎はその中でかろうじて姿を保っている。植物の形に人の顔を重ねる方法は《奇妙な花》にも通じる。ただし、こちらは版画はんがであり、画面の余白や黒の配置も異なる。

作品の見どころ

白い紙の広い余白の中に、暗い矩形の図像が置かれている。まず紙全体を見てから、黒い部分へ目を移してみたい。水辺の線、曲がる茎、顔の輪郭りんかくが少しずつ見えてくる。図像を大きく拡大して眺めると、暗闇の細かな濃淡が単調ではないことが分かる。画面の小ささと周りの白さが、花の孤独な印象を強めている。

制作背景

シカゴ美術館は1885年制作のリトグラフと記録する。これは六図からなる版画集の第二図で、ここに載せた画像も一枚の紙全体を示す。ルドンの版画では、作品の描画部分だけでなく、刷られた紙の余白も見え方に関わる。紙の外側を単なる不要な背景とみなさず、暗い図像がどれほど離れて置かれているかも確かめたい。

作品情報

材質・技法
紙にリトグラフ
所蔵
シカゴ美術館

出典・画像について

出典:シカゴ美術館 作品資料(2026-09-27 確認)
画像:Odilon Redon《沼の花、悲しげな人の頭》/Art Institute of Chicago / CC0
画像の出典 / CC0 / Open Access(画像情報:2026-09-27 確認)
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