1880年
40歳頃

奇妙な花(貧しき者の小さな妹)

画家 オディロン・ルドン →
Strange Flower (Little Sister of the Poor) / シカゴ美術館
暗い地面から細い茎が伸び、その先に少女のような顔が咲いている。

何が描かれているか

暗い地面から細い茎が伸び、その先に少女のような顔が咲いている。花びらの代わりに顔があるため、見慣れた植物が突然別の生き物に変わったように見える。題名の「貧しき者の小さな妹」は具体的な人物名ではない。顔の表情は柔らかいが、周囲は荒れた地面と暗い空間で、可憐さだけでは片づかない。ひとつの姿に人と植物を重ねた作品だ。

作品の見どころ

大きな顔から下へ視線を移すと、ほとんど重さのない茎と、その足元の複雑な線が見える。紙の色を残した顔は、周囲の木炭の黒に囲まれて浮き上がる。茎の輪郭りんかくを追うと、地面とのつながりが心もとなく、いつ折れてもおかしくないようだ。花として見るか、人として見るかで同じ形の印象が変わる。少し離れて全体を眺め、近づいて顔の細部を確かめたい。

制作背景

シカゴ美術館は1880年の木炭素描そびょうとし、黒チョークやクレヨン、消し取りなどの技法も記録する。ルドンはこの時期、人間の一部と動植物を組み合わせた形を繰り返し探った。作品が何か一つの教訓を表すと断定する資料はない。まず見える形をたどり、見慣れたものが別のものに変わる瞬間を感じ取ると、初期の想像力が伝わる。

作品情報

材質・技法
紙に木炭、黒チョークほか
所蔵
シカゴ美術館

出典・画像について

出典:シカゴ美術館 作品資料(2026-09-27 確認)
画像:Odilon Redon《奇妙な花(貧しき者の小さな妹)》/Art Institute of Chicago / CC0
画像の出典 / CC0 / Open Access(画像情報:2026-09-27 確認)
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