風景の奥行きよりも、木々と花が壁一面に広がる感じに注目したい装飾画。
何が描かれているか
黄色い背景の右側に、細い木の幹と枝が伸びている。左側には、大きな丸い花のような形や、小さな色の粒が重なる。地面や遠景の境目は目立たず、植物が画面の表面に広がって見える。
特定の庭を正確に写した景色として見るより、木々や花から生まれる色と形をたどってみよう。枝の細い線と、花の柔らかなかたまりが、異なる調子で同じ画面に置かれている。
作品の見どころ
右側の幹を下から上へ追うと、枝が分かれながら、花の集まりの間へ入り込む。黄色い背景は単なる空白ではなく、細かな色や形をつなぎ、画面全体を明るく包んでいる。
油彩だけでなく、デトランプという水性の絵具、木炭、パステルも用いられている。輪郭を一本の線で固めず、色や質感を重ねて植物を見せるところに、この装飾画の面白さがある。
制作背景
1899年に注文され、1901年に完成したドムシー城の食堂装飾の一枚。ロベール・ド・ドムシー男爵の旧蔵品で、1988年にオルセー美術館へ入ったことが作品台帳に記されている。
《グラン・ブーケ》と同じ室内装飾の計画に属するが、こちらには中心となる花瓶がない。花束を一つの対象として見る絵と、壁面に植物を広げる絵の違いを、見比べて確かめてみたい。
作品情報
材質・技法
カンヴァスに油彩、デトランプ、木炭、パステル
出典・画像について
画像:Odilon Redon《黄色い背景の木々》/黄色い背景の木々 — Odilon Redon / Wikimedia Commons
CommonsのPublic Domain表示の忠実複製。複製の扱いは国・地域で異なります。
間違いを見つけたら、教えてください →実物を見に行く
まずは国内の美術館から。公式の展示情報を見ながら、行きたい場所を探せます。
国内の美術館を探す →展示替え・貸出などで作品が展示されていない場合があります。訪問前に展示・開館日・入館方法をご確認ください。
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。
この画家について本で読む
もっと知りたいルドン 改訂版 生涯と作品
山本敦子 著/高橋明也 監修 / 東京美術
初期の黒い作品から後期の色彩表現まで、ルドンの生涯と作品をたどる入門書の改訂版。
楽天ブックスで見る →