中央のキリストへ、子どもを抱く人や病人たちが集まっている。足元には横たわる女性がおり、左右の人々は立つ、座る、身を寄せるなど違う姿を見せる。一人の周囲に多くの生が重なる。中央の明るさと、左右の人々の明暗を見比べたい。
何が描かれているか
中央のキリストへ、子どもを抱く人や病人たちが集まっている。足元には横たわる女性がおり、左右の人々は立つ、座る、身を寄せるなど違う姿を見せる。一人の周囲に多くの生が重なる。
題材は『マタイによる福音書』第19章である。レンブラントは、その章に登場する複数の出来事を横長の一画面へ組み合わせた。一つの瞬間を写すより、物語を集めて見せている。
作品の見どころ
左側の人々は薄い輪郭線で描かれ、右側には深い暗がりが広がる。その間に立つキリストの衣は明るい。白と黒を交互にたどると、群衆の中でも中央の人物へ目が戻ってくる。
金属板の線を薬品で腐食させるエッチングに、直接線を彫る技法と針で引っかくドライポイントを併用した。細い輪郭から濃い影までを使い、顔や手の動きを浮かび上がらせる。
制作背景
所蔵館は制作年を1648年としている。《百グルデン版画》という通称には、作者が百グルデンで一枚を買い戻したという話が結びつくが、所蔵館はその話の確かさに疑問を示している。
名前の由来を確定した事実として読むより、明暗の幅や多様な人物の表し方を見たい。掲載画像はメトロポリタン美術館の第2状態の刷りで、後世に別人が版を改変した複製ではない。
作品情報
材質・技法
紙にエッチング、エングレーヴィング、ドライポイント(第2状態/全2状態)
出典・画像について
掲載画像と寸法・技法は所蔵番号29.107.35の刷りに対応。美術館がCC0で公開する全景画像を使用。
画像:レンブラント《百グルデン版画(病人を癒やすキリスト)》/百グルデン版画(病人を癒やすキリスト) — レンブラント / The Metropolitan Museum of Art; H. O. Havemeyer Collection, Bequest of Mrs. H. O. Havemeyer, 1929
メトロポリタン美術館がCC0で提供する全景画像です。
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