何が描かれているか
顔は正面に近く、左右で明るさが違う。額、頬、鼻には短い筆触と厚い絵具が重なり、衣装は広い色の面で置かれる。
細部を同じ密度で仕上げないため、最初に顔へ焦点が合い、そこから身体が暗がりへ広がる。
作品の見どころ
34歳の自画像と比べると、古風な衣装や欄干による歴史的な自己演出より、顔を作る絵具の動きが前へ出る。
ただし、若い時は自信、晩年は悲しみと単純に対比しない。同じ画家が自分の姿を使い、異なる見せ方を試した二点として比べたい。顔の細かな筆触から、広く置かれた衣装、暗い背景へ視線を広げると、描き込む場所と残す場所の差が分かる。老年の感情を読み当てるより、絵具の密度を比べる方が確かな入口になる。
制作背景
1669年、レンブラント最晩年に制作された三点の自画像の一つである。画家は同年10月4日に亡くなった。
死が近いことを予告する遺言のような絵と断定せず、顔、衣装、背景をどこまで描き込み、どこを残すかという制作上の選択を確かめる。カンヴァスに油彩、86×70.5センチで、ロンドンのナショナル・ギャラリーが所蔵する。
出典・画像について
画像はナショナル・ギャラリー作品を出典とするWikimedia CommonsのPD-Art複製です。館公式画像は使用していません。忠実複製の扱いには法域差があります。
画像:Rembrandt van Rijn《63歳の自画像》/Rembrandt van Rijn, The National Gallery, London, via Wikimedia Commons.
忠実複製の扱いには法域差があります。
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