1653年
46〜47歳

三本の十字架

画家 レンブラント・ファン・レイン →
Christ Crucified between the Two Thieves: The Three Crosses / メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
中央の十字架にかけられたキリストを、左右の二本の十字架と多くの人々が囲んでいる。上方から差し込む光のような明るい帯が中央へ集まり、画面の両端は深い暗がりに沈む。まず明るい部分と暗い部分を見比べ、線の密度や向きへ目を移したい。

何が描かれているか

中央の十字架にかけられたキリストを、左右の二本の十字架と多くの人々が囲んでいる。上方から差し込む光のような明るい帯が中央へ集まり、画面の両端は深い暗がりに沈む。
十字架の下には、ひざまずく人、立つ人、身体をかがめる人がいる。まず中央の身体を見てから周囲の姿へ目を移すと、同じ出来事に向き合う人々の動きの違いが見えてくる。

作品の見どころ

ドライポイントは、金属板を針で直接引っかいて線を作る技法である。線の脇にできる金属のまくれがインクを抱え、輪郭りんかくが少しにじんだような、柔らかく深い黒を刷り出す。
線だけでなく、板の表面に残したインクも暗さを作っている。所蔵館は、中央の十字架の右下で人物の線を覆う薄いインクや、右の茂みに残る厚いインクに注目している。

制作背景

1653年の作品で、掲載するのは羊皮紙に刷られた一枚である。羊皮紙は動物の皮を加工した支持体で、紙よりインクを吸いにくい。その性質も、全体の暖かな色調や線の見え方に関わる。
レンブラントは後にこの版を大きく彫り直している。同じ題名でも人々の配置や明暗が異なるため、別の状態の画像を取り違えず、この一枚に残る線とインクの層を見比べたい。

作品情報

寸法
版面 38.1 × 43.8 cm/羊皮紙 38.4 × 44.3 cm
材質・技法
羊皮紙にドライポイント
所蔵
メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
目録
41.1.31

出典・画像について

掲載画像と寸法・技法は所蔵番号41.1.31の刷りに対応。美術館がCC0で公開する全景画像を使用。
画像:レンブラント《三本の十字架》/三本の十字架 — レンブラント / The Metropolitan Museum of Art; Gift of Felix M. Warburg and his family, 1941
画像の出典 / The Met Open Access / CC0 1.0(画像情報:2026-10-07 確認)
メトロポリタン美術館がCC0で提供する全景画像です。
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