1884–1887年
42〜46歳頃

大水浴図

画家 ピエール=オーギュスト・ルノワール
The Great Bathers / フィラデルフィア美術館(フィラデルフィア)
水辺の裸体群像を、強い輪郭りんかくと長く検討した構成でまとめた。印象派を「目の前の一瞬を素早く描く絵」だけと考えると、約3年と多くの準備素描そびょうを費やしたこの作品が見えにくくなる。

何が描かれているか

手前の水辺に三人の裸体の女性が大きく配され、左の女性が右の座る女性へ水をかけようとする。中央の女性は腕を上げ、後ろにも小さな人物が続く。
木、岩、水面が身体を包むように配置される。

作品の見どころ

身体の外形は背景からはっきり分かれ、腕、肩、脚の曲線が人物どうしをつなぐ。背景の柔らかい色と比べると、身体がアトリエで考え抜かれた形として前へ出る。
一瞬の水遊びに見えても、画面は長い準備で組み立てられている。まず中央の三人の裸体を大きなまとまりとして見て、次に水辺や背景の小さな人物へ視線を広げる。肌の丸い輪郭と、木や水の柔らかな筆触を比べると、人体と風景の扱いの違いが分かる。個々の表情より、腕、脚、岸辺の曲線が画面全体に作るリズムを追いたい。明るい肌色が構成の中心になる。

制作背景

ルノワールは約3年をかけ、個々の人物の素描と、少なくとも2点の原寸大の複数人物素描を準備した。晩年の《水浴する女たち》とは別作品で、制作年と所蔵館も異なる。
カンヴァスに油彩ゆさいで、フィラデルフィア美術館所蔵。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩
所蔵
フィラデルフィア美術館

出典・画像について

画像はWikimedia CommonsのPD-Art複製です。忠実複製の扱いには法域差があります。
画像:Pierre-Auguste Renoir大水浴図》/Pierre-Auguste Renoir, The Large Bathers, Philadelphia Museum of Art, via Wikimedia Commons.
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(画像情報:2026-09-08 確認)
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