1880–1891年
47歳頃

ザポロージャのコサック

画家 イリヤ・レーピン →
Запорожцы пишут письмо турецкому султану / ロシア美術館(サンクトペテルブルク)
机を囲むコサックたちが、書記の手元を見ながら大声で笑っている。

何が描かれているか

机を囲むコサックたちが、書記の手元を見ながら大声で笑っている。題名は、オスマン帝国のスルタンへ返書を書くという伝承を指す。真ん中の紙へ目を向けた後、顔をそらして笑う人、身を乗り出す人、黙って見守る人を順に探すと、集団の中に一人ずつ違う反応がある。

作品の見どころ

画面の手前には背中を見せる人物が置かれ、鑑賞者も輪のすぐ外にいるように感じる。白い衣や帽子、赤い布、武具が密集していても、表情と手の動きが視線をつなぐ。言葉そのものは読めないが、笑いが次々に広がる瞬間を絵が伝える。歴史を静かな肖像の列ではなく、音のありそうな集団として見せた。 笑いをこらえきれない顔から、紙に向かう書記の手へ視線を戻すと、返書を書く場が画面の中心だと分かる。

制作背景

ロシア美術館は1880–1891年の大作として所蔵する。スルタンへの手紙は伝承であり、画面は史実の会議をそのまま再現したものではない。同館によるとレーピンはウクライナへ赴き、歴史や生活を調べ、多くの人物の習作しゅうさくを重ねた。将軍ドラゴミロフら具体的なモデルも使われている。長い制作期間が、人物の多様さに表れている。

作品情報

材質・技法
キャンバスに油彩ゆさい
所蔵
ロシア美術館(サンクトペテルブルク)
目録
Ж-4005

出典・画像について

出典:所蔵館 作品資料(2026-09-27 確認)
画像:Ilya Repin《ザポロージャのコサック》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
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