1871年
27歳頃

ヤイロの娘の復活

画家 イリヤ・レーピン →
Воскрешение дочери Иаира / ロシア美術館(サンクトペテルブルク)
薄暗い室内で、キリストが寝台に横たわる少女へ手を伸ばしている。

何が描かれているか

薄暗い室内で、キリストが寝台に横たわる少女へ手を伸ばしている。少女の父ヤイロと周囲の人々は、これから起こることを待つように立つ。新約聖書に記された、亡くなった少女がよみがえる場面である。まず二人の手の距離を見ると、画面の静けさの中に物語の中心が見えてくる。

作品の見どころ

左から差す光は白い寝具と少女の体を照らし、キリストの青い衣へ視線を導く。右側に集まる人々は暗がりに沈み、表情を一度に読み取れない。そのため劇的な身ぶりよりも、手が触れる直前の緊張が強く残る。暗い背景は写真の余白ではなく、絵の中で光と人物を際立たせる部分である。

制作背景

ロシア美術館は1871年の油彩ゆさい画として所蔵する。レーピンは美術アカデミー在学中にこの主題へ取り組み、構図こうずを考え直して、キリストと少女の手に焦点を集めた。同館によれば完成作は大金メダルを受けた。後の《ヴォルガの船曳き》とは題材が大きく異なるが、人物の関係を一瞬の動作で伝える力は共通している。 同館は、早くに亡くした姉妹の記憶が、この主題に向き合う画家の気持ちを変えたとも伝える。

作品情報

材質・技法
キャンバスに油彩
所蔵
ロシア美術館(サンクトペテルブルク)
目録
Ж-4050

出典・画像について

出典:所蔵館 作品資料(2026-09-27 確認)
画像:Ilya Repin《ヤイロの娘の復活》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
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