白い衣を着た女性が、狭い室内で腕を組み、こちらを強く見返す。
何が描かれているか
白い衣を着た女性が、狭い室内で腕を組み、こちらを強く見返す。題名のソフィアは17世紀末のロシアで政務を担った皇女で、この絵は修道院へ閉じ込められた姿を想像して描く。格子窓の向こうの明るさまで目を向けると、部屋の内と外を隔てる距離が感じられる。
作品の見どころ
明るい衣は暗い壁の中で目立つが、柔らかい印象にはならない。重い椅子や家具、格子のある窓が、彼女の立つ場所を狭く見せる。視線と組んだ腕は静止していても緊張を生む。歴史上の人物を穏やかな肖像にせず、政治の力を失った一瞬に立たせたような構図である。
制作背景
トレチャコフ美術館は1879年の油彩画として記録する。長い原題は1698年の銃兵反乱と、ソフィアの幽閉後の状況に触れる。ただし画面は当時を撮影した記録ではなく、19世紀のレーピンが史料と想像を組み合わせた歴史画である。同館は当時の批評家にも反応が分かれたと説明する。人物の怒りを読みつつ、史実そのものと絵画の解釈を分けて見たい。 制作に先立ち、画家は史料や古い肖像、衣装を調べ、ソフィアの衣服を家族に縫わせた。
出典・画像について
画像:Ilya Repin《皇女ソフィア》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
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