1879年
35歳頃

皇女ソフィア

画家 イリヤ・レーピン →
Царевна Софья Алексеевна / トレチャコフ美術館(モスクワ)
白い衣を着た女性が、狭い室内で腕を組み、こちらを強く見返す。

何が描かれているか

白い衣を着た女性が、狭い室内で腕を組み、こちらを強く見返す。題名のソフィアは17世紀末のロシアで政務を担った皇女で、この絵は修道院しゅうどういんへ閉じ込められた姿を想像して描く。格子窓の向こうの明るさまで目を向けると、部屋の内と外を隔てる距離が感じられる。

作品の見どころ

明るい衣は暗い壁の中で目立つが、柔らかい印象にはならない。重い椅子や家具、格子のある窓が、彼女の立つ場所を狭く見せる。視線と組んだ腕は静止していても緊張を生む。歴史上の人物を穏やかな肖像にせず、政治の力を失った一瞬に立たせたような構図こうずである。

制作背景

トレチャコフ美術館は1879年の油彩ゆさい画として記録する。長い原題は1698年の銃兵反乱と、ソフィアの幽閉後の状況に触れる。ただし画面は当時を撮影した記録ではなく、19世紀のレーピンが史料と想像を組み合わせた歴史画である。同館は当時の批評家にも反応が分かれたと説明する。人物の怒りを読みつつ、史実そのものと絵画の解釈を分けて見たい。 制作に先立ち、画家は史料や古い肖像、衣装を調べ、ソフィアの衣服を家族に縫わせた。

作品情報

材質・技法
キャンバスに油彩
所蔵
トレチャコフ美術館(モスクワ)
目録
Инв.722

出典・画像について

出典:所蔵館 作品資料(2026-09-27 確認)
画像:Ilya Repin《皇女ソフィア》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
Commonsはパブリックドメインと表示。二次元複製の扱いには法域による留保がある。
間違いを見つけたら、教えてください →
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。

この画家について本で読む

レーピンとロシア近代絵画の煌めき
籾山昌夫 著 / 東京美術
レーピンと同時代のロシア近代絵画を、作品図版とともに紹介する画集。
楽天ブックスで見る →