犬を抱き寄せる腕と、木漏れ日の明るさ。子どもの肖像にも、自然な動きを感じさせる工夫があります。
何が描かれているか
少女が地面にひざをつき、白と黒の犬を両腕で抱いています。明るい服と丸い頬が森の暗い緑から浮かび、犬の体は画面の右下へ伸びています。少女も犬もこちらへ顔を向けています。
描かれたのは地主オールドフィールド・ボウルズの娘ジェーンです。館が示す支払い記録から、制作時は三、四歳ほどだったと分かります。題名だけの想像上の少女ではなく、人物を特定できる肖像です。
作品の見どころ
犬を押さえる腕の輪をたどると、少女の顔へ戻ってきます。大人の肖像に見られる改まった立ち姿とは違い、膝や手の動きが、遊びの途中を見ているような印象をつくっています。
右上では木々の間から光が差し込みます。館の解説は、この光を少数の大胆な筆の跡で描いている点に注目しています。遠くの明るい部分と、近くの服や犬の毛並みを見比べてみてください。
制作背景
ジェーンは日常着そのままではなく、芝居を思わせる凝った衣装を着ています。実在の子を描きながら、背景や服装には画家の演出が入ることが分かります。
1775〜1776年の油彩画で、ウォレス・コレクションに所蔵されています。《いちご売りの少女》と並べると、似た森の背景でも、個人の肖像と役柄を与えた絵の違いが見えてきます。
作品情報
位置づけ
犬を抱く子どもの個人肖像。想像上の役柄の絵との比較。
出典・画像について
画像:Joshua Reynolds《ジェーン・ボウルズ嬢》/ジェーン・ボウルズ嬢 — Joshua Reynolds / Wikimedia Commons
CommonsのPublic Domain表示の複製画像。扱いは国・地域で異なります。
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