何が描かれているか
白いドレスのコックバーン夫人が座り、三人の幼い息子が膝、肩、腕へまとわりつく。長男は母の首へ手を回し、下の子は膝へ上り、もう一人は背後から顔を出す。
右上には大きな赤いコンゴウインコが止まり、左奥には柱と風景が見える。白と金の母子のまとまりに、鳥の赤、青、黄が鮮やかな対角線を加える。
作品の見どころ
三人の子の腕と視線を母の顔へ集め、動きの多い家族を一つの三角形にまとめる。母は子どもを受け止めながら外へ視線を向け、親密さと公的な落ち着きを両立させる。
構図はヴァン・ダイクが描いた「慈愛」の寓意を基にし、子どもの身ぶりにはベラスケス作品の引用も指摘される。借りた型を現実の家族へ移し、肖像と寓意を重ねた。
制作背景
ナショナル・ギャラリーは1773年の作品とする。画面の署名にはロイヤル・アカデミー会長を示す「PRA」があり、レノルズが公的地位を得た時期の大作である。
鮮やかなインコはレノルズ自身が飼っていた鳥と考えられている。植民地交易で運ばれた異国の鳥が富と珍しさを示す装飾として置かれる点も、18世紀英国の肖像文化に含めて見る。