何が描かれているか
ライアテア島出身のマイが等身大で立ち、片手を腰へ置き、もう一方の腕を外へ伸ばす。白いターバン風の布と長い衣をまとい、裸足の身体が山と空の前に大きく浮かぶ。
英国では「オマイ」と呼ばれたが、現在は本人の名に近い「マイ」も用いられる。衣装は特定の太平洋地域の服を忠実に写したものではなく、レノルズが組み合わせた異国的な装いである。
作品の見どころ
堂々とした全身像と大きな身ぶりは、貴族や英雄の肖像に使われる規模を与える。肌、白い布、広い空を明るくし、人物を小さな珍品としてではなく画面の中心へ置く。
一方、ターバン風の布やゆったりした衣は欧州の「異国」を示す型でもある。個人への敬意と、英国の観客が期待した想像上の異国性が同時に存在するため、どちらか一方だけで読めない。
制作背景
マイはクック船長の第2回航海に同行して1774年に英国へ到着し、上流社会で注目を集めた。1776年に太平洋へ戻り、レノルズの肖像はその滞在中に描かれた。
作品は2023年に英国ナショナル・ポートレート・ギャラリーとJ・ポール・ゲティ美術館が共同取得した。人物の移動は探検、植民地拡張、見世物的な好奇心の時代背景と切り離せない。