小さな灯りに照らされる眠りの神。レノルズの肖像画とは違う、神話と明暗の世界を見られます。
何が描かれているか
左の女性が灯りを高く掲げ、寝台に横たわる若者をのぞき込んでいます。暗い部屋の中で顔、腕、胸が光を受け、寝台の布や大きな翼が眠る体の周りを囲んでいます。
女性は人間のプシュケ、若者は愛の神キューピッドです。夜ごとに訪れる恋人の正体を、プシュケが灯りで確かめる場面が描かれています。題材を知ると、彼女の前かがみの動きが単なる見守りとは違って見えます。
作品の見どころ
まず灯りから、女性の顔と伸びた腕、そして寝ている若者の明るい肌へと目を移してみてください。一つの光が二人を結びながら、背景を暗がりに沈めています。
館の解説は、若者の滑らかに光る裸身へ視線が集まることに注目しています。女性だけを主役と思って眺めると見落としがちな、光を受ける男性の体の大きさが確かめられます。
制作背景
物語のもとになったのは、古代ローマの作家アプレイウスの『変身物語』です。レノルズは古い物語を使い、人物の関係と明暗を一つの場面にまとめています。
1789年頃の油彩画で、同年のロイヤル・アカデミー展に出品されました。著名な人の顔を描くだけではない、晩年のレノルズの神話画を知る入口になります。
作品情報
位置づけ
肖像画家が神話を通じて試みた、夜の光と裸身の表現。
出典・画像について
画像:Joshua Reynolds《キューピッドとプシュケ》/キューピッドとプシュケ — Joshua Reynolds / Wikimedia Commons
CommonsのPublic Domain表示の複製画像。扱いは国・地域で異なります。
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