1782年
59歳

バナスター・タールトン大佐

画家 ジョシュア・レノルズ
Colonel Tarleton / ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
英雄化された軍人像の力と、モデルの歴史的責任を同時に見る。

何が描かれているか

バナスター・タールトンが緑と赤の軍服で片足を岩へ掛け、剣へ手を伸ばす。背後には軍旗、馬、兵士、銃煙が重なり、戦闘の只中で一瞬立ち止まった姿に見える。
帽子の羽、光沢のある上着、白い脚衣が暗い煙から浮かぶ。腕と脚を逆方向へ広げた複雑な姿勢は、装備を整える実用的な動作であると同時に、舞台上の英雄のように整えられる。

作品の見どころ

身体を斜めにねじり、旗と煙を背後へ広げることで、静止画に強い速度を与える。顔は落ち着き、周囲の混乱を支配する人物として理想化されている。
レノルズは古い巨匠きょしょうのポーズを組み合わせ、現代の軍人を歴史画の主人公へ近づけた。しかし絵の説得力とモデルの行為の評価は別であり、英雄的な表現そのものを検討する必要がある。

制作背景

ナショナル・ギャラリーは1782年の作品とする。タールトンはアメリカ独立戦争で英国軍部隊を率い、降伏兵殺害をめぐる悪名も残した。肖像は帰国後の知名度を背景に制作された。
彼は後に国会議員となり、家族の富と結びついた奴隷貿易を擁護した。所蔵館もこの関係を明記する。画面が作る勇敢な像を、その後の政治的行動から切り離して称賛しない。

作品情報

材質・技法
油彩ゆさい、カンヴァス
所蔵
ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
位置づけ
アメリカ独立戦争の将校を英雄的に描く一方、その後の奴隷貿易擁護も含めて見るべき肖像。

出典・画像について

画像:Sir Joshua Reynoldsバナスター・タールトン大佐》/バナスター・タールトン大佐 — Sir Joshua Reynolds / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-22 確認)
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