何が描かれているか
バナスター・タールトンが緑と赤の軍服で片足を岩へ掛け、剣へ手を伸ばす。背後には軍旗、馬、兵士、銃煙が重なり、戦闘の只中で一瞬立ち止まった姿に見える。
帽子の羽、光沢のある上着、白い脚衣が暗い煙から浮かぶ。腕と脚を逆方向へ広げた複雑な姿勢は、装備を整える実用的な動作であると同時に、舞台上の英雄のように整えられる。
作品の見どころ
身体を斜めにねじり、旗と煙を背後へ広げることで、静止画に強い速度を与える。顔は落ち着き、周囲の混乱を支配する人物として理想化されている。
レノルズは古い巨匠のポーズを組み合わせ、現代の軍人を歴史画の主人公へ近づけた。しかし絵の説得力とモデルの行為の評価は別であり、英雄的な表現そのものを検討する必要がある。
制作背景
ナショナル・ギャラリーは1782年の作品とする。タールトンはアメリカ独立戦争で英国軍部隊を率い、降伏兵殺害をめぐる悪名も残した。肖像は帰国後の知名度を背景に制作された。
彼は後に国会議員となり、家族の富と結びついた奴隷貿易を擁護した。所蔵館もこの関係を明記する。画面が作る勇敢な像を、その後の政治的行動から切り離して称賛しない。