白い背景の前に立つフランチェスコが、小さな槌と輪を手に持つ。
何が描かれているか
白い背景の前に、黒い衣と赤い襟の若い男性が胸から上を見せている。手には小さな槌と輪を持ち、もう一方の手をその下に添える。そろった前髪、襟の金色の縁、指先の動きまで細かく描かれる。メトロポリタン美術館はこの人物を、フェラーラの支配者レオネッロ・デステの息子フランチェスコと記録している。
作品の見どころ
白い背景によって、暗い衣と顔、手がくっきり見える。視線は正面を外れ、持ち物を見せながら静かな表情を保つ。顔の細い輪郭と指の曲がり方を追うと、大きな身振りがなくても人物の姿を詳しく観察できる。すでに掲載している《ある女性の肖像》と比べれば、服装や背景が違っても、顔と手へ視線を集める工夫を見比べられる。
制作背景
同館は1460年頃に描かれた板絵と記録する。フランチェスコはブルゴーニュ公フィリップ善良公の宮廷で教育を受けた。槌と輪は馬上槍試合の賞品かもしれないが、用途は確定していない。板の裏面にはデステ家の紋章と銘文があり、描かれた人物の家系を考える手掛かりになる。白い背景についても、同館は家の色に関係する可能性を示すにとどめている。
出典・画像について
画像:Rogier van der Weyden《フランチェスコ・デステの肖像》/The Metropolitan Museum of Art / CC0
所蔵館のCC0公開画像。写真に写った額縁のみ除いて表示しています。
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