1435~1440年頃
30代後半頃

聖ルカが聖母を描く

画家 ロヒール・ファン・デル・ウェイデン →
Saint Luke Drawing the Virgin / ボストン美術館
聖ルカが、目の前の聖母子せいぼしを紙に写し取る。

何が描かれているか

左では聖母マリアが幼子おさなごキリストを抱き、右では聖ルカが紙を手に姿を写し取る。二人は同じ室内に座るが、背後の柱の間から川、建物、人影まで見通せる。聖ルカは絵を描く人々の守護聖人とされる人物である。画家が聖なる親子を描くという物語を、仕事中の手元まで見える場面にした。

作品の見どころ

室内の暗い柱と、中央の明るい遠景を見比べると、二人の間に奥行きが生まれていることが分かる。ルカの視線は聖母子へ向かい、手は紙に向かう。その往復を追うと、鑑賞者も描く行為を見守る位置に立つ。聖母の青い衣とルカの赤い衣は離れているが、向き合う姿勢が画面をつないでいる。細かな川辺の人物にも目を向けたい。

制作背景

ボストン美術館は1435~1440年頃のロヒール作品として紹介している。ここにいる聖ルカを画家本人の確実な自画像とみなす資料はない。このサイトの画家一覧では聖ルカの顔を識別用に使うが、本人の肖像とは表示しない。聖母子、描き手、遠景を一枚に収めたこの構成は、宗教画と制作行為を同時に考えさせる。

作品情報

材質・技法
板に油彩ゆさい・テンペラ
所蔵
ボストン美術館
作者表記
ロヒール・ファン・デル・ウェイデン

出典・画像について

出典:ボストン美術館 収蔵ギャラリー(2026-09-25 確認)
画像:Rogier van der Weyden《聖ルカが聖母を描く》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-25 確認)
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この画家について本で読む

ロヒール・ヴァン・デル・ウェイデン 情動と優美のフランドル画家
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