1855年(画中の銘は1854年)
27歳頃

アーサー王の墓

画家 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ →
Arthur’s Tomb / 大英博物館
王の墓を挟んで、ランスロットの接近とグィネヴィアの拒みが交差する。

何が描かれているか

横たわる王の像を載せた墓の向こうから、赤い衣のランスロットが身を乗り出す。右でひざまずくグィネヴィアは黒い衣をまとい、顔の前に手を上げる。二人の間に置かれた墓と王の像が、近づく動きに割って入るように見える。
アーサー王物語に基づく場面だが、原典の出来事をそのまま同じ場所に写したものではない。大学の研究資料は、王の墓と修道院しゅうどういんでの再会を画家が組み合わせたと説明する。

作品の見どころ

墓を越える斜めの身体と、グィネヴィアの上げた手を見比べたい。接近と拒みが、言葉を使わずに向きの違いで示される。王の像は水平に伸び、その静けさが動く人物との対照になる。
背景には木の葉が密に重なり、墓の側面にも小さな装飾がある。奥へ広く抜ける風景より、二人を近い距離に閉じ込めるような空間に目が向く。赤と黒の衣の差も場面を読み取る手がかりになる。

制作背景

掲載するのは大英博物館の原作で、1860年の別版とは区別する。研究目録は1855年制作とするが、画中には1854年の銘が見える。
研究資料は書簡の作業記録と銘の年代が食い違う点を指摘する。ここでは片方を消さず、目録の1855年と画中の1854年を併記している。

作品情報

材質・技法
紙に水彩、不透明水彩、黒鉛
所蔵
大英博物館(所蔵番号1982,0619.23:Commons記録)
制作年
1855年(画中の銘は1854年)
掲載版
1855年の原作。1860年の別版と区別

出典・画像について

画像:Dante Gabriel Rossetti《アーサー王の墓》/Dante Gabriel Rossetti / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark / PD-Art(画像情報:2026-10-02 確認)
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