何が描かれているか
緑の服を着た女性が木の枝に座り、手に小さな花を持っている。膝には本が開かれているが、視線はページへ落ちていない。枝や葉が顔の周りを囲み、長い衣のひだは画面の下まで続く。外の音より、物思いに沈む時間が感じられる姿である。
モデルはジェーン・モリスである。館の解説は、木をシカモア、花をスイカズラと記す。スイカズラは当時の人々に愛の結びつきを表したが、ここでの画家とモデルの関係への言及は、可能性として説明されている。
作品の見どころ
花を持つ手から、膝の本、顔へと順に目を動かしたい。読みかけの本と別の方向へ向いた視線が、題名の「白昼夢」を考える手がかりになる。
服と葉はどちらも緑だが、明るさや形が異なる。柔らかな布の折れ目と、尖った葉、太い枝を見比べると、女性が木々に包まれながらも浮かび上がって見える。
制作背景
1880年の油彩で、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館が所蔵する。館は年末までに完成したと記録している。右下の署名と年の銘も含め、全体を残して掲載する。
題名はロセッティ自身の同名の詩にもつながる。館が紹介する詩の結びでは、忘れられた本と手から落ちる花が描かれる。絵の本と花を見直す入口になる。