何が描かれているか
緑色の布で包んだ詩集の、表紙・背・裏表紙を開いて並べた写真である。金色の線と小さな円が左右を結び、背にはクリスティーナ・ロセッティの名前、詩集名、1866の年が置かれる。
装丁とは、本を綴じて表紙を付け、その外観も整える仕事である。ここでは詩の登場人物を大きく描く代わりに、直線や巻く形が、本を囲む図案になっている。
作品の見どころ
背を中央にして、金色の横線が左右へ続くところを追いたい。閉じた本の表面だけでなく、開いたときに一続きになる全体を設計したことが分かる。
美術館は、この装飾を中世の本の留め具や釘の頭を思わせるものと説明する。円や渦巻きを見てから同じ詩集の標題紙へ戻ると、文字と線で作る構成も比べられる。
制作背景
クリスティーナの詩集は1866年にマクミラン社から刊行され、兄ロセッティが挿絵と装丁を担当した。詩人の名が背にあることを、装丁の作者名と取り違えないようにしたい。
大学の研究記録には、緑の布と金の線について図案を調整した経過が残る。展示解説の「成長や変化を暗示するかもしれない」という読みは、詩との関係を考える一つの解釈である。