王子の旅(詩集の扉絵と標題紙)
画家 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ →The Prince’s Progress, and Other Poems: Frontispiece and Title-page / メトロポリタン美術館、ニューヨーク
窓辺で待つ姫と、遅れて到着した王子。二つの挿絵が、詩の始まりと結末を向かい合わせる。
何が描かれているか
妹クリスティーナの詩集《王子の旅》を開いた見開きである。右の標題紙には窓の外を見つめる姫、左の扉絵には遅れて着いた王子と、亡くなった姫を囲む女性たちが描かれる。
美術館の解説によれば、右は物語の始まり、左は結末を示す。ページの左右と、物語の時間の順序が逆になっていることも確かめたい。
作品の見どころ
王子の手と背を丸める姿、姫の横顔を比べると、待つ時間と間に合わなかった時間が対照をなす。髪や衣服の細い線、白く残る背景が、油彩とは違う明暗を作る。
標題紙とは本の題名や著者名を載せるページ、扉絵はその向かいに置かれる図である。余白と文字、図の枠まで一緒に見ると、一冊の入口を作る図案として読める。
制作背景
1866年にマクミラン社が刊行した。詩を作った妹、挿絵と装丁を設計したロセッティ、図案を木版に彫ったリントンの仕事を分けて見たい。
大学の研究記録は、挿絵の制作が1865年から翌年に及んだことを手紙で追っている。死別の場面を作者自身の体験だけで説明せず、まず詩の筋とページの組み合わせから確かめたい。
詩と挿絵の作者について
詩の作者はクリスティーナ・ロセッティ、図案は兄ダンテ・ゲイブリエル、木版の彫りはW・J・リントンです。刊行年を表示し、1865–1866年の制作期間と区別します。寸法は本の記録で、見開きの全幅ではありません。
作品情報
寸法
本:17.8 × 11.4 cm(見開き全幅ではない)
出典・画像について
画像:ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ(図案)《王子の旅(詩集の扉絵と標題紙)》/Dante Gabriel Rossetti, design; William James Linton, engraving; Christina Rossetti, author / The Metropolitan Museum of Art, Rogers Fund, 1921 / CC0
MetがPublic Domain対象としてCC0で配布する図版。紙の端・余白と銘を保持し、縮小のみ。色補正・切り取り・修復なし。
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