何が描かれているか
エリザベス・シダルが左へ横顔を向け、顎の下に手を添えている。額から鼻、口へ続く輪郭は淡い肌の中にはっきりと見え、その後ろに濃い赤毛が広がる。暗い背景や服との違いが、顔の小さな凹凸を目立たせている。
デラウェア美術館は、シダルが1851年末からロセッティのモデルを務めるようになったと説明する。同時に、彼のもとで自身の美術の技能も育てたと記し、描かれる人としてだけ紹介してはいない。
作品の見どころ
まず横顔の輪郭をたどり、次に髪の中の細かな線へ目を移そう。肌のなめらかさと髪の細かい動きが隣り合うことで、短い距離にも質感の違いが生まれる。
顔の下の手と襟の辺りにも注目したい。大きな物語の場面ではなく、一人の姿に視線が集まる。赤毛、白い肌、暗い服の対比が印象を残す。
制作背景
館は1854年頃の、紙に黒鉛(鉛筆の芯の素材)と水彩で描かれた作品として記録している。Commonsの題名には1854年とあるが、所蔵館の「頃」を残し、制作年を確定しない。
本サイトの掲載画像は、書籍からスキャンされた複製である。紙作品の全範囲を保ち、表面の粒状感を消す修復はしていない。油彩の女性像と比べると、線と薄い色による表現の違いが分かる。