何が描かれているか
鎧を着た聖ゲオルギウスが顔を下げ、サブラ姫がその身体に寄り添う。二人の背後には鐘が並び、左には盾、右下には竜の頭を入れた木箱がある。赤や紫の衣、金色の鎧、小さな模様が、ほぼ正方形の画面を埋めている。
題名は二人の婚礼を示す。テートの解説によれば、姫は自分の髪の一房を花婿の兜に通している。竜を倒す戦いの最中ではなく、その後の抱擁が描かれた場面である。
作品の見どころ
最初に二人の顔を見てから、髪に触れる手へ目を移そう。金属の鎧と柔らかな髪がすぐ近くに置かれ、戦う人の姿に親密な仕草が重なる。姫の膝から伸びる衣の線も、上の顔へ視線を導くように見える。
鐘、盾、箱と順に追うと、人物の周囲にも多くの細部があることが分かる。特に右下の竜の頭は、抱擁の前に起きた出来事を思い出す手がかりになる。
制作背景
1857年の紙に描かれた水彩で、テートが所蔵する。中世の美術の影響を受けた作品として館が紹介している。油彩の大きな女性像とは、画面の組み立ても異なる。
右下の木箱には作者の署名と日付がある。人物だけを大きく切り取ると物語の手がかりや文字が失われるため、ここでは提供画像の四辺まで残して掲載する。