何が描かれているか
赤い服を着た子どもが、片手に小さな人形を持って立つ。服には白い点が並び、手前には草と花が広がる。顔は見る側を向き、足は横へ向けられている。
頭と胴体は大きく、腕は細く、脚は大きく見える。子どもの身体、人形、足元の草花がそれぞれ輪郭で区切られ、画面の奥へなだらかにつながる描き方とは違う見え方をする。
作品の見どころ
まず子どもの顔から人形へ、そこから足へ視線を移してみたい。顔と足が同じ向きではないので、全身を一度に見るより、部位ごとの向きを追うと姿勢が分かりやすい。
赤い服と緑の草、白い点と小さな花を見比べるのも一つの入口になる。服の柄と草花が画面に細かな繰り返しを作り、人物の大きな形の周囲を満たしている。
制作背景
オランジュリー美術館の現在の作品記録は1892年頃とする。ルソーの作品には制作年が確定しないものがあり、この年を精密な完成年として扱わず、頃という幅を残して紹介する。
ここでは子どもを特定の家族の肖像として同定せず、人物と玩具がどう並べられているかを見る作品として加えた。密林画とは違う、身近な人物を描く仕事が分かる。