1908年
63〜64歳頃

ピンクのろうそく

画家 アンリ・ルソー →
The Pink Candle / フィリップス・コレクション
机の上の小さな物が、輪郭りんかくと色の面で描き分けられる。密林や大きな人物画とは違う尺度で、ルソーの形の置き方を見られる静物画せいぶつがである。

何が描かれているか

白い布の上に、ピンク色のろうそく、暗い緑の瓶、皿に載せた食べ物が置かれている。ろうそくは燭台に立ち、瓶には明るいラベルが付く。背後には赤茶色の椅子と、物の少ない壁が見える。
ろうそくと瓶は縦に長く、手前の皿と布は横へ広がる。壁や布の明るい色に囲まれることで、ろうそくの淡いピンクと瓶の暗い緑がそれぞれ目につく。

作品の見どころ

まず題名のろうそくを探し、隣の瓶との高さを比べてみたい。縦に立つ二つの形を見たあと、皿の横長の輪郭へ目を戻すと、少ない要素で組み立てた画面の配置が分かる。
画面を大きく表示すると、物の縁や色の境目を細かく見られる。そのあと実物の大きさを思い返すと、大きな風景とは違う、小さな卓上の眺めとしての距離感が生まれる。

制作背景

フィリップス・コレクションは1908年、油彩ゆさい、カンヴァスの作品として記録する。寸法はおよそ縦16.2cm、横22.2cmで、ルソーの作品の中でも小型の画面である。
静物画とは、人の動きや物語を中心にせず、置かれた物を描く絵のこと。この作品を加えることで、密林の想像画や人物画だけでなく、日用品の形と配置を描くルソーの仕事も見られる。

作品情報

材質・技法
油彩、カンヴァス
所蔵
フィリップス・コレクション
目録番号
1695
位置づけ
卓上の物を描いた小さな静物画。
寸法
約16.2 × 22.2 cm(高さ × 幅)

出典・画像について

画像:Henri Rousseau《ピンクのろうそく》/ピンクのろうそく — Henri Rousseau / Wikimedia Commons / Henri Rousseau
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0(画像情報:2026-10-08 確認)
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