何が描かれているか
巨大な葉と花が画面を埋め、その奥でライオンが倒れた動物へ顔を伏せる。枝には鳥が止まる。
題名はライオンの食事を示すが、画面の大半を占めるのは植物である。ライオンは画面全体に対して小さく、巨大な葉の層をかき分けるように見て初めて食事の場面へたどり着く。
作品の見どころ
葉を同じ緑でまとめず、形、輪郭、明暗を一枚ずつ変える。密林を奥行きより反復で作る。
小さな動物を探す目の動きそのものが、絵を見る体験になる。葉の先端、花びら、鳥のくちばしが細かな方向を作り、静止した植物にも画面を巡る流れが生まれる。左右から伸びる葉は中央で重なり、奥の動物を隠す幕のような役割も果たしている。
制作背景
1907年頃の作品。1905年以降にルソーが繰り返した大規模な密林画の一つである。
現在はメトロポリタン美術館所蔵。同館は画像をOpen Accessで公開している。密林を実地で写生したものではない点を踏まえ、植物と動物を一つの想像上の環境へ組み合わせた作品として見る。