何が描かれているか
月夜の砂漠で旅人が杖と楽器のそばに横たわる。たてがみのあるライオンが近づき、顔の匂いを確かめるように見える。
歴史的題名には現在では避けられることのある呼称が残る。本文では人物を旅人として説明し、民族を外見だけで断定しない。満月、ライオンの目、旅人の顔が横に並び、静かな砂漠の中で互いを見る関係だけが強く残る。
作品の見どころ
旅人の衣装の横縞と、ライオンのたてがみ、砂漠の水平線が互いに異なるリズムを作る。
危険な距離なのに人物は眠り、ライオンも襲わない。緊張と静けさが同時に続く。月光の下でも影を複雑にせず、青い衣、茶色の毛、明るい砂を大きな面として分けている。
制作背景
1897年作。ルソー自身は、疲れて眠る旅人をライオンが嗅ぐが食べない場面として説明した。
現在はニューヨーク近代美術館所蔵。現実の旅行記録ではなく、月光の効果と想像で作られた場面である。歴史的題名を残すことと人物の民族を断定することは別なので、本文では外見から身元を決めない。