何が描かれているか
白い布に支えられたイエスの身体を、人々が十字架から下ろしています。上の男性から下の赤い服の人物へ、身体の重さが受け渡されていきます。
左側は身ごもったマリアがエリサベトを訪ねる場面、右側は幼いイエスを神殿で捧げる場面です。誕生前、幼児期、死後という異なる時点が、三枚の板の中で並べられています。
作品の見どころ
中央では、白い布と青白い身体が暗い背景から浮かび上がります。布の斜めの流れを目で追うと、上から下へ降りる動きが伝わります。持ち上げる《十字架昇架》と比べると、力の向きの違いが分かります。
支える手や曲げた腕にも注目してみてください。大きな悲しみだけでなく、身体を傷つけずに受け止めようとする動作が画面をまとめています。両翼の穏やかな建築空間が、中央の暗い場面と対照をなします。
制作背景
これは大聖堂内の射撃組合の祭壇のために注文された作品です。注文から完成は1611〜1614年にわたります。中央は1612年、両翼は1614年に完成しました。
所蔵施設は三場面に「キリストを運ぶ」という共通の意味を読み取っています。単なる三枚の宗教画としてではなく、人々がイエスを支える姿を結ぶ祭壇画として眺めてみましょう。