十字架昇架(三連祭壇画)
画家 ルーベンス →The Elevation of the Cross / 聖母大聖堂(アントウェルペン)
十字架の斜めの動きが、左右の板へどうつながるかを見てみましょう。
何が描かれているか
中央では、イエスを釘で固定した十字架を男たちが起こしています。身体を反らし、脚を踏ん張る人々が、斜めに伸びる十字架を囲みます。左右の板にも人物が続く、三枚組の祭壇画です。
左側には悲しむ人々、右側には馬や兵士が描かれています。三つの別の出来事を並べるのではなく、中央の動きが両翼の人物へつながっています。掲載画像では開いた両翼を含む全体を見ることができます。
作品の見どころ
見どころは、持ち上げる力を身体の向きで示す構成です。十字架の斜めの線に、腕や背中の傾きが重なります。イエスの明るい身体と周囲の暗い色が、その大きな動きを際立たせています。
全体を眺めたあと、中央の男たちの手をたどってみてください。左右の人物の姿勢も、中央の緊張と比べて見ることができます。
制作背景
もとはアントウェルペンの聖ワルブルガ教会のための作品で、現在は聖母大聖堂にあります。所蔵施設は1609〜1610年と表記しています。年代には資料差があります。
中央板だけでも迫力がありますが、両翼を含めると、見る人がどの位置から受難を見つめるかまで広がります。小さな習作とは違う、礼拝の場のための大画面の組み立てを確かめられる作品です。
年代と画像について
制作年は現在の所蔵施設の1609〜1610年という表記を用いています。1610〜1611年とする資料もあります。開いた両翼を含む全図を掲載していますが、2048×1389ピクセルの古い複製で、細部の鮮明さには限界があります。
出典・画像について
画像:Peter Paul Rubens《十字架昇架(三連祭壇画)》/十字架昇架(三連祭壇画) — Peter Paul Rubens / Wikimedia Commons
CommonsのPublic Domain表示の忠実複製。複製の扱いは国・地域で異なります。
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