ルーベンス、エレーヌ・フールマンと息子フランス
画家 ルーベンス →Rubens, Helena Fourment (1614–1673), and Their Son Frans (1633–1678) / メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
夫妻の手と、父子の胸を横切る帯の響き合いに注目してみましょう。
何が描かれているか
帽子をかぶったルーベンスが、妻エレーヌ・フールマンと庭に立っています。手前には白い襟と青い帯をつけた幼い子どもがいます。神話や聖書の人物ではなく、画家自身の家族を描いた大きな肖像です。
夫妻の顔だけでなく、近くに並ぶ手を見てみてください。妻の明るい手と画家の赤みのある手が、黒い服の前で目を引きます。子どもは顔を上げて、大人のいる方へと身体を向けています。
作品の見どころ
黒い衣服の中にも光の違いがあり、白い襟や細かなひだが浮かびます。背景の葉や鳥、庭の石の形が、人物のまわりに広がっています。
画家の胸を斜めに横切る革の帯と、子どもの青い帯を比べてみてください。所蔵館はこの似た形を、父と跡継ぎを結ぶ表現として説明しています。親密な肖像の中にも、社会的な立場の示し方があります。
制作背景
現在の英語目録は1635年頃の作品とし、子どもを息子フランスとしています。一方、同じ館の音声解説などには別の名前が残っています。ここでは現行目録の名前を用いています。
背景はアントウェルペンの自宅の庭を思わせる、理想化された空間です。家族の日常をそのまま写した記録と決めず、手のつながりや衣服の響き合いから、肖像の組み立てを見てみましょう。
目録表記について
子どもの名前と年代・材質は、現在の英語目録のフランス、1635年頃、板に油彩を用いています。同館の音声解説にはペーテル・パウルという旧同定が残り、翻訳ページの材質表記とも一致していません。
出典・画像について
画像:Peter Paul Rubens《ルーベンス、エレーヌ・フールマンと息子フランス》/ルーベンス、エレーヌ・フールマンと息子フランス — Peter Paul Rubens / The Metropolitan Museum of Art
The Metropolitan Museum of Artの公式CC0画像。
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