17世紀半ば

三本の樫

画家 ヤーコプ・ファン・ロイスダール →
The Three Oaks / メトロポリタン美術館
樫の枝葉と水辺を細かな線で描き分けた風景版画はんが。

何が描かれているか

水辺の土手に三本の大きな樫が立ち、枝を横へ広げている。足元には草や低木、倒れた木のように見える幹があり、左手には水面と遠い岸が続く。空を広く空けた部分と、線が密集する樹木の部分が対照的だ。色彩で描く油絵とは異なり、細い線の向きと重なりから、木の形や土地の高低を読み取れる。

作品の見どころ

幹の縦方向の線、枝の曲がる線、葉を表す細かな線を順に追ってみる。水面には横に延びる線が重なり、草や葉の細かい動きとは違う静けさが感じられる。線が密な根元は暗く、線の少ない空は明るく見える。遠くの岸も低く小さく描かれ、手前の木の大きさが際立つ。画面下の署名も眺めながら、線で奥行きを伝える工夫を探したい。

制作背景

メトロポリタン美術館は本作を17世紀半ばのエッチングと記録する。エッチングは、金属板を覆う膜に線を描き、露出した部分を酸でくぼませ、そこにインクを詰めて紙へ刷る版画技法。同館の紙は縦11.7、横14.6センチの小さなものだ。記録の「第2ステート」は、版に手を加えた段階を示す言葉で、2枚目の紙という意味ではない。油絵と比べると、樹木を線の集まりで表す方法が見えてくる。

作品情報

材質・技法
エッチング(第2ステート)
寸法
紙:11.7 × 14.6 cm
所蔵
メトロポリタン美術館(17.50.15-329)

出典・画像について

画像:Jacob van Ruisdael《三本の樫》/The Metropolitan Museum of Art — CC0
画像の出典 / CC0 1.0 / Met Open Access(画像情報:2026-09-30 確認)
紙の全景と下部の署名を保持した、Met Open AccessのCC0画像です。
間違いを見つけたら、教えてください →
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。

この画家について本で読む

明るい窓:風景表現の近代
柏木智雄・倉石信乃 著 / 大修館書店
17世紀のイタリアとオランダから風景表現の変化をたどる本。ロイスダールを含む展覧会の図録。
楽天ブックスで見る →