1885〜1886年
29〜30歳頃

カーネーション、リリー、リリー、ローズ

画家 ジョン・シンガー・サージェント
Carnation, Lily, Lily, Rose / テート・ブリテン
日没直前の短い光を重ね、少女ととも籠を花の中に浮かべた。

何が描かれているか

白い服の二人の少女が、花の茂る庭で紙灯籠へ火をともしている。
白いユリ、赤いカーネーション、橙色の灯籠が、青みを帯びた夕暮れの中に点在する。一人は立って灯籠を持ち、もう一人は花の間で身をかがめる。少女、ユリ、灯籠が画面の奥まで繰り返されるため、庭の中に同じ形が連なるように見える。

作品の見どころ

少女の白い服と花は空の冷たい光を受け、灯籠だけが内側から暖かく光る。
立ち上がるユリと丸い灯籠を繰り返すことで、奥行きの浅い庭を装飾的な模様のようにも見せる。空が暗くなり始めても、白い服とユリには青みを帯びた光が残る。そこへ灯籠の橙色が重なるため、夕方の冷たい光と人工の暖かい光を同時に比べられる。

制作背景

1885年夏、イングランドのブロードウェイ村で着想し、1886年まで制作した。モデルは画家フレデリック・バーナードの娘ドリーとポリーである。
夕暮れの光を合わせるため、サージェントは毎日わずかな時間だけ戸外で描き、秋には鉢植えの花も用いた。二夏にわたる制作と短い夕暮れの作業時間は、光の状態をそろえる難しさを伝える。完成画を一瞬の速写と考えず、同じ時間帯を待ちながら積み重ねた作品として見る。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
テート・ブリテン
目録番号
N01615

出典・画像について

出典:テート 作品記録・解説2026-09-12 確認)
画像:John Singer Sargentカーネーション、リリー、リリー、ローズ》/カーネーション、リリー、リリー、ローズ — John Singer Sargent / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-12 確認)
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