何が描かれているか
白い岩が広がる斜面で、作業者が長い綱を扱っています。右手前には帽子をかぶった人が大きく描かれ、その先にも小さな人物が点在しています。中央には大きな石の塊があり、背後には切り立った岩の壁がそびえています。
一九一一年の油彩で、舞台はイタリアのカッラーラの採石場です。切り出した大理石を、綱で斜面へ下ろす仕事を描いています。
作品の見どころ
手前の人物の腕から、長い綱を奥へ追ってみてください。綱の先にいる人々は小さく見え、石の塊がどれほど大きいのかを測る手がかりになります。
白い岩にも、黄色く光る面と灰色や青みのある面があります。角ばった石、ゆるく曲がる綱、体を傾ける作業者で、形と方向が違います。それらを続けて見ると、斜面の中の動きが分かります。
制作背景
美術館の解説によれば、画家は現地で描いた作業者の多くの習作を、この作品へまとめました。目の前の一瞬をそのまま写すだけでなく、仕事の様子を一枚に組み立てています。
岩の白さが最初に目を引きますが、人の腕や足へ戻ると、石を動かす力も見えてきます。華やかな室内の肖像と比べれば、屋外の仕事を描くときにも、姿勢が大切な役割を果たしていると気づきます。