何が描かれているか
目を布で覆った兵士たちが、互いの肩へ手を置いて一列に歩く。
手前には負傷者が横たわり、遠景では兵士たちがサッカーをしている。兵士の列は画面を横切り、目隠しをした一人一人が前の人の肩へ手を置く。列の後ろにも別の負傷者が続き、手前の地面には横たわる身体が重なっている。
作品の見どころ
同じ姿勢を繰り返す長い列が、個人の痛みを大人数へ広げて見せる。
黄褐色の夕光は美しく見えるが、負傷者の列と地面の身体を照らすため、画面の美しさと主題の苦しさがぶつかる。立つ人物の脚と肩がほぼ同じ間隔で反復され、長い画面に重い歩調を作る。遠景の球技は小さく明るく描かれ、前景の負傷者との距離と日常の落差を強めている。
制作背景
サージェントは1918年に公式戦争画家として西部戦線を訪れ、毒ガス攻撃を受けた兵士たちを目撃した。作品は1919年に完成した。
背景の球技は戦争の日常が続いていることを示す画面上の要素であり、所蔵館は作品を第一次世界大戦の被害を伝える記録として扱う。公式戦争画家としての現地経験をもとにしていても、全員をその場で一度に写した記録画ではない。目撃した光景を大画面へ構成し、毒ガスによる被害を伝える作品である。