岸に横たわる男と、水面に映るその姿。フロリダの光を、青い水と明るい体の色の対照から見ます。
何が描かれているか
上半身をあらわにした男性が、岩の上で片手をつき、水へ顔を向けています。明るい体と茶色の岸辺の下に、深い青や緑の水が広がります。水面にも人の形が映り、画面の上下で似た形が違う色になっています。
一九一七年、サージェントがアメリカのマイアミに滞在した時期の水彩です。友人のディアリング兄弟を訪ねた際の制作に含まれます。
作品の見どころ
岸辺の腕から、下の水に映る腕へ目を移してみましょう。上の肌には桃色や茶色が入り、水の中では同じ形が紫や青を帯びています。
水面には黄色や緑の色も重なっています。輪郭がはっきりする部分と、周囲の色に溶ける部分が交互に現れます。男性の体だけでなく、その周りの白く明るい筆跡を追うと、強い光と水の揺れを感じられます。
制作背景
美術館は、ヴィスカヤという別荘の庭園を造っていた作業者たちをモデルに、画家が一連の水彩を描いたと説明しています。この作品もその一枚です。
水彩にガッシュと鉛筆を組み合わせ、体の厚みと水の色を描いています。《山の小川》では急流の中に人物が置かれますが、ここでは静かな水面に体が映ります。二枚の水と人物の距離を比べると、眺めの違いが見えてきます。
出典・画像について
画像:John Singer Sargent《フロリダの男と水辺》/The Metropolitan Museum of Art, New York
所蔵館が公開した個別画像のCC0表示と利用条件を確認しています。
間違いを見つけたら、教えてください →アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。
この画家について本で読む
アメリカ印象派 摩天楼・大自然・新しい女性
坂上 桂子 監修/大橋 菜都子 著 / 東京美術
サージェント、カサット、ハッサムらを通して、フランスからアメリカへ広がった印象派と近代社会の変化を見渡せる画集です。
楽天ブックスで見る →