何が描かれているか
青白い水が岩の間を横切り、右上の岸辺には、背を向けた裸の男性が座っています。茶色、紫、青、緑の岩が画面を埋め、遠くの山並みや空は見えません。人物も流れも、すぐ近くから見ているように感じられます。
制作年は一九一二〜一九一四年頃とされています。美術館は正確な場所を特定できないとしており、特定の谷や沢の名前は分かっていません。
作品の見どころ
最初に、画面を横切る白く明るい部分をたどってみてください。所々に青が入り、流れの向きが見えてきます。水の間からのぞく岩には、紫や黄色の色の面が接しています。
次に右上の人物へ戻ると、背中や腕の形は岩よりも柔らかな線で描かれています。広い流れの中に人物が一人加わることで、岩や水の大きさを比べる手がかりが生まれます。
制作背景
この作品は水彩と鉛筆を用いており、人物の背中や岩の周囲には細い下描きの線も見えます。広い色の面と細い線が、体や石の位置を一緒に支えています。
画家が美術館へ売却した展示用の水彩でもあります。《アルプスの淵》の油彩と見比べると、同じ水辺の題材でも、明るい白の広がりや筆跡の重なり方が違います。近くと遠くの両方から色を確かめてみましょう。