何が描かれているか
白いショールをまとった女性が灰色のソファに横たわり、組んだ手を腹の上に置く。
銀灰色のスカート、青い模様、淡い壁が近い色調でつながる。女性の頭は画面左、足元は右へ伸び、横長のソファと身体がほぼ同じ方向に重なる。上部には暗い絵と金色の額が横切り、淡い衣服だけが室内から浮かび上がる。
作品の見どころ
顔や手を細かく描く一方、衣服とソファは長く自由な筆触でまとめ、静かな姿の中に絵具の動きを残す。
体を横長に置く構図と下向きの視線が、鑑賞者へ見せるための公式肖像とは違う私的な時間を作る。顔と組んだ指には形が読み取れる線を残し、スカートやクッションは青、緑、白の長い筆触へほどける。描き込みの差を見ると、静かな姿勢の中にも絵具の速い動きがある。
制作背景
1911年作。モデルはサージェントの姪ローズ=マリー・オーモンドである。
所蔵館は、1909年頃までに通常の注文肖像から離れ、より自由な人物研究へ向かった時期の作品と説明している。モデルの身元は姪と分かっていても、作品は名前を前面に出す正式肖像として構成されていない。題名が示す「くつろぎ」を、表情の説明より姿勢と周囲の余白から読む。