1882年
26歳頃

ヴェネツィアの街路

画家 ジョン・シンガー・サージェント →
Street in Venice / ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(ワシントン)
黒いショールの女性が、狭い路地をこちらへ歩く。ヴェネツィアの街の日常を、壁と人の距離から見ていきます。

何が描かれているか

黒いショールを体に寄せた女性が、狭い路地をこちらへ歩いてきます。右には黒い服と帽子の男性が二人立ち、さらに奥には小さな人影があります。建物の壁が画面の両側を埋め、人々の動く場所を細く区切っています。
一八八二年の作品で、カンヴァスではなく板に油彩ゆさいで描かれています。大きな運河や宮殿ではなく、街の路地にいる人々が主役です。

作品の見どころ

女性の黒い衣服から、下にのぞく明るいスカートへ目を移してみてください。首元の赤い色も、壁の灰色や薄茶色の中で小さく目立ちます。
道と建物の線は奥へ延びますが、手前の女性が目を引き止めます。右の二人の顔の向きまで見ると、路地にいる人々の位置関係をたどれます。絵からは、彼らの会話の内容や互いの関係までは分かりません。

制作背景

壁を近くで見ると、絵の具の短い跡が重なり、表面のざらつきに見えてきます。服の輪郭りんかくもすべてが細い線で閉じられているわけではありません。
少し離れて、女性の白い裾と奥の明るい壁を続けて見ると、光の弱い路地にも明暗の変化があると気づきます。水彩の《ヴェネツィア》と比べれば、同じ街の狭い空間に人物を置く工夫が見えます。

作品情報

材質・技法
油彩・板
寸法
45.1 × 53.9 cm
所蔵番号
1962.4.1

出典・画像について

出典:NGA 作品記録(2026-10-01 確認)
画像:John Singer Sargent《ヴェネツィアの街路》/Courtesy National Gallery of Art, Washington
画像の出典 / CC0(画像情報:2026-10-01 確認)
所蔵館が公開した個別画像のCC0表示と利用条件を確認しています。
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