欄干の後ろの人物の習作(表)
画家 アンドレア・デル・サルト →Study of Figures Behind a Balustrade (recto) / J・ポール・ゲティ美術館、ロサンゼルス
顔がいくつも重なり、腕の位置も一つに決まらない。その迷いの線こそ、画家が形を考えている途中の記録です。
何が描かれているか
一枚の紙に、欄干の後ろに立つ二人の男性が赤いチョークで描かれています。建築の枠も線で区切られ、身体や衣の輪郭が幾重にも重なります。右の人物は本を持つような姿で、顔の向きがいくつか試されています。
作品の見どころ
重なる線を順に追うと、頭のわずかな回転で、肩や腕との釣り合いまで変わることに気づきます。欄干は二人の立つ位置を定める一方で、身体を上下に分ける仕切りでもあります。その向こうに自然な一人の身体を見せようと、画家は何度も線を探っているのです。
制作背景
1522年頃の習作です。ゲティ美術館は、コルトーナにあるパッセリーニの祭壇用刺繡の福音書記者像を考えた紙である可能性を示しつつ、用途は確定していないとしています。完成作へ直結する下絵と決めつけず、さまざまな姿を試し、別の仕事にも使いうる工房の紙として見ると、その役割がよくわかります。
出典・画像について
画像:Andrea del Sarto《欄干の後ろの人物の習作(表)》/欄干の後ろの人物の習作(表) — Andrea del Sarto / Andrea del Sarto / CC0 1.0
取得した画像の全範囲を保持。追加の切り出し・色補正・拡大補間なし。縮小派生も同じ全範囲です。紙の表側の全体。裏側は別作品として数えていません。
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