鮮やかな色を使わずに、水辺の空気も身体の重さも描く。長い歳月をかけた回廊の仕事は、この静かな洗礼の場面から始まります。
何が描かれているか
川に立つキリストが胸の前で手を重ね、右の洗礼者ヨハネが頭へ水を注いでいます。左では天使たちが身をかがめ、その様子を見守ります。肌も衣も岩も灰褐色の濃淡で描かれ、人物が石の浮彫のように浮かび上がっています。
作品の見どころ
ヨハネの長い身体は動きを見せ、正面を向くキリストは静かに洗礼を受け止めています。二人の役割を伝えるのは、色の違いよりも、輪郭の曲がり方や光の当たる面の位置です。天使の衣が幾重にも重なる様子まで、柔らかな明暗だけで描き分けられています。
制作背景
フィレンツェのスカルツォ回廊を飾る、洗礼者ヨハネの生涯の一場面です。この初期作の年代には幅があり、1507〜1510年頃に置かれます。連作全体の仕事は1526年まで続き、フランチャビージョも二場面を担当しました。一つの回廊をすべて同じ時期、同じ一人が描いたわけではありません。
出典・画像について
画像:Andrea del Sarto《キリストの洗礼(スカルツォ回廊)》/キリストの洗礼(スカルツォ回廊) — Andrea del Sarto / Francesco Bini / CC BY-SA 4.0
取得した画像の全範囲を保持。追加の切り出し・色補正・拡大補間なし。縮小派生も同じ全範囲です。壁画と周囲の建築・装飾を含む全体写真です。配布ページのイタリア文化財に関する注意表示(ita-mibac)も記録。著作権ライセンスと、法域により適用される文化財の利用規定は別です。
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