1518〜1519年
32〜33歳頃(概算)

慈愛

画家 アンドレア・デル・サルト →
La Charité / ルーヴル美術館、パリ
子どもを抱き、授乳し、そばで眠らせる。一人の女性の姿を通して、他者を養い守る「慈愛」が表されています。

何が描かれているか

赤い衣の女性へ二人の子どもが寄り添い、もう一人は手前で身体を横たえています。足元には果実や器があり、背後には明るい空と遠い景色が広がります。聖母子せいぼしを思わせる姿ですが、題名はキリスト教の徳の一つである「慈愛」です。

作品の見どころ

胸へ顔を寄せる子、そばへ近づく子、下で休む子。女性のまわりにいる子どもたちは、身体の向きも過ごし方も違い、一人ずつの存在を感じさせます。大きく折れ重なる青い布は、その身体の重さを支えるように広がっています。人物が寄り添う親密さと、絵の下半分のゆったりした広がりが重なります。

制作背景

ルーヴル美術館の目録では1518〜1519年、フランス滞在中にフランソワ1世のために描かれた作品とされています。フィレンツェの聖堂を主な仕事場としていた画家が、フランス王のもとでも働いた時期の一作です。祭壇画さいだんがで培った大きな人物の配置が、ここでは母と子どもによる寓意の姿へと使われています。

作品情報

材質・技法
油彩ゆさい・カンヴァス
所蔵
ルーヴル美術館、パリ
目録番号
INV 712 / MR 36

出典・画像について

画像:Andrea del Sarto《慈愛》/慈愛 — Andrea del Sarto / Andrea del Sarto / Public Domain Mark 1.0
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / 画像の出典・個別利用条件(画像情報:2026-10-21 確認)
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