題名の「ハルピュイア」は、聖母の足元の小さな怪物に由来します。でも、その正体については、別の読み方も示されています。
何が描かれているか
聖母マリアが台座の上に立ち、幼子を腕に抱いています。左には聖フランチェスコ、右には本を持つ福音書記者ヨハネ。下の二人の小さな天使が聖母のそばへ寄り、人物の集まりは、上へ向かって細くなる大きな形をつくっています。
作品の見どころ
幼子の腕から、聖母の下ろした手、天使たちの身体へ。形をたどると、硬い台座のまわりに柔らかな動きが生まれています。鮮やかな青や赤の衣に対し、顔や首の影はなだらかです。彫刻のように確かな身体と、煙のように淡く移る陰影が、堂々とした聖母の姿をつくっています。
制作背景
1517年、サン・フランチェスコ・デ・マッチ修道院のために描かれた祭壇画です。伝統的な題名は、ヴァザーリが台座の怪物をハルピュイアと呼んだことから生まれました。一方、ウフィツィ美術館は、それをヨハネの黙示録に登場するいなごと読む解釈を紹介しています。題名だけで意味を決めず、右のヨハネと足元の彫刻を一緒に見る手がかりになります。
出典・画像について
画像:Andrea del Sarto《ハルピュイアの聖母》/ハルピュイアの聖母 — Andrea del Sarto / Andrea del Sarto / Public Domain Mark 1.0
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