1527年頃
41歳頃(概算)

イサクの犠牲(クリーヴランドの未完成作)

画家 アンドレア・デル・サルト →
The Sacrifice of Isaac / クリーヴランド美術館
天使の脚が二通りに見えるのは、描き直しの跡。未完成だからこそ、画家が考え、変え、絵具を重ねる過程をたどれます。

何が描かれているか

息子イサクへ刃を向けようとするアブラハムを、上から現れた天使が制止しています。父は顔を上げ、手前の息子は身体をひねっています。旧約聖書の創世記にある、信仰の試練と、犠牲が止められる物語を描いた作品です。

作品の見どころ

右奥に薄く残るロバや、二通りに見える天使の脚には、描き直しの過程が表れています。位置を移した線も、まだ色を十分に重ねていない部分も、そのままです。クリーヴランド美術館は、下絵を写した線を絵具で補強し、薄い色を広く重ねながら構図こうずを変えていったと説明しています。完成すれば隠れるはずの手順を、ここではたどれます。

制作背景

所蔵館は、この未完成作を1527年頃のものとしています。同じ主題の作品がマドリードとドレスデンにもありますが、これはクリーヴランド所蔵の大きな板絵です。ゲティ美術館の研究紹介によれば、なぜこの一作が未完にとどまったのかは分かっていません。描き直しの跡があっても、それだけで画家の失敗や突然の死に結びつけることはできません。

作品情報

材質・技法
油彩ゆさい・板
所蔵
クリーヴランド美術館
目録番号
1937.577

出典・画像について

画像:Andrea del Sarto《イサクの犠牲(クリーヴランドの未完成作)》/イサクの犠牲(クリーヴランドの未完成作) — Andrea del Sarto / Andrea del Sarto / CC0 1.0
画像の出典 / CC0 1.0 / 画像の出典・個別利用条件(画像情報:2026-10-21 確認)
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