四人の顔は斜めにつながり、その下で手が組み合わさる。晩年のデル・サルトは、小さな動きから聖家族の親密さをつくっています。
何が描かれているか
マリアの膝に立つ幼いキリストが、左の幼いヨハネへ顔を向けています。その後ろには年老いたエリサベト。四人の視線や指先が交わり、曇った空を背にした一つの家族の集まりが生まれています。
作品の見どころ
大人たちは静かに構え、子どもたちは前へ身を寄せたり、振り向いたりしています。四人の顔を結ぶ斜めの流れは、その下で重なる手へと続き、人物の集まりに奥行きを与えています。赤、青灰色、褐色を控えめに組み合わせた色も、細かな動きのある場面を落ち着かせています。
制作背景
1529年頃、オッタヴィアーノ・デ・メディチのために描かれた作品です。ゲティ美術館が紹介した調査では、マリアの衣や頭部に、別の作品のための実物大下絵を組み合わせて使ったことがわかっています。親しみのある自然な姿にも、蓄えた図案を使い、描きながら変更を加える工房の知恵が働いています。
出典・画像について
画像:Andrea del Sarto《メディチ家の聖家族》/メディチ家の聖家族 — Andrea del Sarto / Andrea del Sarto / Public Domain Mark 1.0
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