何が描かれているか
緑の服を着た女性が座り、曲げた膝の近くに顔を傾ける。赤みのある髪は上へ膨らみ、前へ伸ばした腕が脚を抱える。暗い靴下と淡い肌、白っぽい布が、折り畳まれた姿を分けている。
椅子や床は細かく描かれず、紙の色が背景に広く残る。身体は紙の端へ近づくほど薄い線だけになる場所がある。右下の署名を含め、塗らない面も画面の一部として見たい。
作品の見どころ
顔から膝、腕、手へと輪郭を追ってみよう。丸い形と折れ曲がった線が続き、身体は安定した正面の像にならない。それでも顔の目は見る側へ向き、姿勢の内向きの動きと対照を作る。
緑の服には短い絵具の跡が密に重なり、肌の淡い場所とは描く密度が違う。すべてを塗りつぶさず、色の面と細い線の両方を使うことが、紙作品の見どころである。
制作背景
1917年の作品。プラハ国立美術館の現行解説は、厚紙に鉛筆とグワッシュによるものと記録する。同館は姿勢や身振りを変形することを、内面の緊張を伝える手段として説明している。
モデルは妻エディットである可能性が高いと館は述べるが、断定はしていない。誰を描いたかと、画面がどう組み立てられたかを分けると、名前だけに頼らず、身体の組み合わせと線を見られる。