1912年
22歳頃

隠者たち

画家 エゴン・シーレ
Hermits / レオポルド美術館
二人の身体を一つの暗い塊へ重ね、誰を描いたかさえ揺らぐ二重肖像にした。

何が描かれているか

暗い長衣の二人の男性が重なり、ほとんど一つの塊のように立つ。左の人物はシーレ自身と分かるが、背後の人物が誰かは研究上も確定していない。
黒と褐色かっしょくの衣が地面まで垂れ、足元には細い白い花が一輪だけある。背景も灰色と褐色で、人物と世界の境界が崩れかけているように見える。

作品の見どころ

二人分の顔と手があるのに、衣は一つの大きな形へ溶ける。個人が支え合う姿にも、互いの重さで沈む姿にも見え、関係を一つの物語へ固定しにくい。
画面下の白い花から顔へ視線を上げると、わずかな明るさが暗い全体を測る基準になる。華やかな装飾を避けた色彩が、人物を肖像と象徴の間へ置いている。

制作背景

1912年制作。シーレは手紙で、二人を「衰えゆくすべて」を表す存在として説明し、色が意図的にせていることにも触れた。作品名も通常の二重肖像とは異なる。
背後の人物はクリムト、父、あるいは別の自己像など複数の説がある。公式記録も同定を確定していないため、本サイトでは一説だけを事実として示さず、その曖昧さ自体を作品の特徴として扱う。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
レオポルド美術館
位置づけ
二人の身体を一つの暗い塊へ重ね、誰を描いたかさえ揺らぐ二重肖像にした。

出典・画像について

出典:レオポルド美術館 作品記録2026-09-14 確認)
画像:Egon Schiele隠者たち》/隠者たち — Egon Schiele / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-14 確認)
Public Domain表示の忠実な複製画像です。扱いは国・地域によって異なります。
間違いを見つけたら、教えてください →
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。

この画家について本で読む

エゴン・シーレ まなざしの痛み
水沢 勉 著 / 東京美術
自画像、風景、人物、寓意、室内の5章で、短い生涯と表現の変化を作品からたどれる専門的な入門書です。
楽天ブックスで見る →