1910年
20歳頃

座る男性裸体(自画像)

画家 エゴン・シーレ
Seated Male Nude (Self-Portrait) / レオポルド美術館
自分の身体を整った理想像にせず、ねじれた線と空白で不安定な存在として描いた。

何が描かれているか

裸のシーレが床に座り、脚を大きく開いて上半身をねじる。頭は小さく、腕と脚は長く強調され、白い背景の中で身体の一部が画面の端に切られている。
伝統的な裸体画のような安定した立ち姿や滑らかな肌ではない。赤、黄、緑が皮膚の上にまだらに置かれ、骨や筋肉だけでなく、体温や疲れまで見えるように扱われる。

作品の見どころ

膝、肘、肩の尖った形を順に追うと、身体が一つの輪郭りんかくへ収まらず、いくつもの方向へ引かれている。空白は背景の省略ではなく、身体を支える場所のなさを強める。
本人を描く自画像だが、社会的な地位や職業を示す道具はない。顔の似姿より、姿勢、皮膚の色、切断された画面から「自分の身体をどう感じるか」を押し出した点に新しさがある。

制作背景

1910年、アカデミーを離れて間もない時期に制作された。シーレはこの頃、クリムトの装飾的な影響から離れ、角張る輪郭と誇張した身体による独自の表現を急速に形づくった。
表現主義とは、見たままを正確に写すより、色や形を変形して感情や内面を表す近代美術のかし向である。本作では、美しい裸体の規範を崩すこと自体が、自画像の内容になっている。

作品情報

材質・技法
油彩ゆさい・グワッシュ、カンヴァス
所蔵
レオポルド美術館
位置づけ
自分の身体を整った理想像にせず、ねじれた線と空白で不安定な存在として描いた。

出典・画像について

画像:Egon Schiele座る男性裸体(自画像)》/座る男性裸体(自画像) — Egon Schiele / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-14 確認)
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