1911年
21歳頃

自画像(水彩・1911年)

画家 エゴン・シーレ →
Self-Portrait / メトロポリタン美術館
折れ曲がる腕、途切れる輪郭りんかく、身体を囲む白。紙の余白と細い線が自画像の緊張を作る。

何が描かれているか

裸のシーレが大きな目をこちらに向け、口を開いている。画面左へ張り出した腕は、肘で鋭く曲がる。胴体は細長く、下の方では身体の色が薄れ、描かれた線がむき出しになる。
背景には部屋や道具がなく、紙の色が広く残る。身体のすぐ外側には白い絵具が添えられている。この白は画像の余白ではなく、作品の中で人物を囲む描写である。

作品の見どころ

顔、肘、腰へ順に目を移すと、輪郭は滑らかな一本線ではなく、細い線が重なったり途切れたりしている。身体の動きが止まった後も、線だけが落ち着かないように見える。
肌の大部分は褐色かっしょくだが、口や胸、腹などには赤が使われる。全面を同じ濃さで塗らないことで、色の小さな強調が顔や身体へ視線を戻す。白い縁と肌の色の差も確かめたい。

制作背景

1911年の紙作品で、メトロポリタン美術館は水彩、黒鉛、グワッシュによるものと記録する。水彩の透ける色と、不透明な白い絵具を組み合わせた自画像である。
同館は1910年代の自画像群の一例として、骨ばった身体と線が内面の緊張を伝えると説明する。表情だけで病名や感情を断定せず、姿勢、線、塗らない場所が作る効果から見ていきたい。

作品情報

材質・技法
紙に水彩・黒鉛・グワッシュ
所蔵
メトロポリタン美術館
目録番号
1984.433.298ab

出典・画像について

画像:Egon Schiele《自画像(水彩・1911年)》/Egon Schiele / The Metropolitan Museum of Art
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-10-04 確認)
所蔵館のOpen Access方針によるCC0画像です。全景と紙の余白を保持して縮小。色補正・切り取り・生成処理なし。
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