1908年
18歳頃

装飾的な背景の前に置かれた様式化された花

画家 エゴン・シーレ →
Stylized Flowers in Front of Decorative Background / レオポルド美術館
金属顔料がんりょうの平たい背景から、紫の植物が立ち上がる。クリムトに学んだ若いシーレの出発点。

何が描かれているか

正方形の画面に、紫の大きな葉と細い茎が立ち上がる。茎の周りには橙色の小さな形が点々と続き、背景は金色や銀色を含む平たい面で埋まる。花瓶や机は見えず、植物の形が画面を占める。
自然な緑ではない紫の葉は、折れたり膨らんだりしている。美術館は、しおれつつある植物として説明している。咲いた花の華やかさよりも、葉の重なりや曲がる輪郭りんかくに目を向けたい。

作品の見どころ

まず背景と植物を見比べよう。背景の模様は左右へ広がる一方、濃い葉は中央で厚みを感じさせる。平たい面から植物だけが前へ出てくるように見えるところが、画面の面白さである。
橙色の点を下から上へ追うと、一本の長い線に沿って視線が動く。背景まで植物と同じ細かさで描かないため、葉の不規則な形と茎の細さがはっきりする。

制作背景

1908年、ウィーンの美術アカデミーに在籍していた時期の作品。銀・金顔料を使う装飾的な面と正方形の形式には、当時のクリムトの影響が認められる。
後の《座る男性裸体》では、装飾的な背景が大きな空白へ変わる。本作の植物と人体の輪郭を比べると、初期の装飾から、形そのものを強く見せる表現へ進む過程をたどれる。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい、銀・金顔料
所蔵
レオポルド美術館
目録番号
474

出典・画像について

画像:Egon Schiele《装飾的な背景の前に置かれた様式化された花》/Egon Schiele / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-10-04 確認)
原作品と忠実複製をPublic Domainと表示する個別配布画像です。国・地域により扱いは異なります。全景を縮小し、四辺と銘記を保持。色補正・切り取り・生成処理なし。
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