何が描かれているか
正方形の画面に、紫の大きな葉と細い茎が立ち上がる。茎の周りには橙色の小さな形が点々と続き、背景は金色や銀色を含む平たい面で埋まる。花瓶や机は見えず、植物の形が画面を占める。
自然な緑ではない紫の葉は、折れたり膨らんだりしている。美術館は、しおれつつある植物として説明している。咲いた花の華やかさよりも、葉の重なりや曲がる輪郭に目を向けたい。
作品の見どころ
まず背景と植物を見比べよう。背景の模様は左右へ広がる一方、濃い葉は中央で厚みを感じさせる。平たい面から植物だけが前へ出てくるように見えるところが、画面の面白さである。
橙色の点を下から上へ追うと、一本の長い線に沿って視線が動く。背景まで植物と同じ細かさで描かないため、葉の不規則な形と茎の細さがはっきりする。
制作背景
1908年、ウィーンの美術アカデミーに在籍していた時期の作品。銀・金顔料を使う装飾的な面と正方形の形式には、当時のクリムトの影響が認められる。
後の《座る男性裸体》では、装飾的な背景が大きな空白へ変わる。本作の植物と人体の輪郭を比べると、初期の装飾から、形そのものを強く見せる表現へ進む過程をたどれる。